全面リニューアルと言っていいほどの、本部の組織・機構改革が始まって3か月が経過しました。直前に起こった東日本大震災の影響もあってか、私たち一般拳士から見たら、まだスムーズにいっているとは言い難い部分があります。未だに前所属で指導していた中・高生から自分の所に電話で問い合わせが来るぐらいですからね。
(もっとも前所属の指導層が全く機能していないんじゃないか・・・って危惧が、ものの見事に当たってしまったところもありますが)
それもあってか、某巨大SNSだと、かなり本部に対しては辛辣な意見・・・というより批判の書き込みが多い様ですね。乱取りを認めてないから少林寺は弱くなった・・・ 卍がなくなったのは・・・ 中には機構改革を認められないから辞める と公言する方もいるようです。
かくいう自分とて、全面支持って訳じゃないですよ。例の「コース制」だって、本部がPRで出した某国営放送の番組を見たら頭の中に疑問符ばかりですし、拳士の負担はいろいろと多くなってるし、ここまでの経過だって、あまりにも末端の拳士のことを考えてないような工程表(いま流行りですね)じゃないかと思ってます。
だからといって、機構改革を全面白紙にして元に戻せ!ってのにはどうかな?って思っています。むしろこの先のことを考えると、かなりの痛みは覚悟してやらなきゃならないんじゃないかと思っています。
確かに自分、開祖還化後の入門ですから、乱取りなんかあまりできちゃいない拳士の一人です。だけど乱取りだけやってりゃぁいいってのには逆に疑問を感じています。演武と同様、乱取りで一人でも多く倒せば強い拳士ってのは、開祖の教えからは逆に外れていくのではないかと思います。現に開祖存命中、大学の大会の乱取り競技で、あまりにも汚い声援・・・というよりも野次に、「ワシの教えと違う!」と厳しい言葉を残していったって言うのも聞いています。
また一番取り出される「卍」とて、国際化のことを考えると仕方ない部分ではないかと思います。確かに日本人にとっては他愛のない・・・ 少林寺の拳士には開祖の決めたものって思いがありますが、外国、特に欧州の拳士にとっては受け入れ難い歴史上の事実ってのがあります。特に第二次大戦で被害を受けた国や人々にとっては、たとえ「いわれが違う」とはいっても、卍の形自体が侵略側のマークなんですから。いくらこちらが広めてかなければならない・・・っていったところで、押しつけても返って反発を促すだけでしょう。
ともあれ、卍はともかく、乱取りはやっちゃぁいけないって事ではないですし、手続きや会費のことだって、上手くいっていない部分、本部の広報が不十分で、誤って伝わっている部分ってのが多いと思います。また正直開祖が作ったシステムを、根本からリニューアルしてることですから、受け入れられないってのはあると思います。
ただそれに一喜一憂して、指導層がふらふらしていたら、それこそ他の拳士にとっては不安感を余計に促すことしかないように思います。せっかく希望を持って入門してきたのに、はっきり言ってしまえば「内輪揉め」を見せつけてしまったら拳士の気持ちはどうでしょうか?それこそ今の政府・内閣と似たり寄ったりじゃないでしょうか。
確かに組織・機構改革、未だ途中です。これからどうなっていくのか正直見えてこない部分は多いです。こういう時こそ、開祖の教え、技法を信じて、心身ともに「ぶれずに」修練に励まなければならないのではないでしょうか。どういう結果にしろ、根本がぶれなければ、崩れなければ「少林寺拳法」は守られるはずですから。
少々批判覚悟で書かせて貰いました。ただね、あまりにも本部批判ばかりじゃ前に進まないですから。